消防用設備等の劣化による不具合・事故の例

消火器の場合

事故の多くは、劣化した消火器や老朽化した消火器による事故で、特に屋外に放置し本体底部が腐食した消火器による事故が多いようです。 また、消防法では定められていませんが、消火器メーカー各社は8年をめどに消火器の交換を呼びかけていますので、定期的な消火器の交換をおすすめします。(消火器の製造年については消火器本体ラベルに記載されています)

事故の
発生年月
場所人的被害機種型式製造年製造後経過年事故概要
事故発生の状況破損箇所
1990/6 神奈川県横須賀市 死者1名 蓄圧式50型消火器 廃棄消火器解体作業中 キャップの破損
1990/12 鹿児島県加世田市 負傷者1名 ABC 粉末加圧式 1978 12 子供が消火器を操作し、容器本体底部の腐食による破裂、顔に直撃 底部が破損
1992/8 静岡県三島市 負傷者1名 ABC 粉末加圧式 消火訓練中 底部が破損
1994/7 東京都練馬区 負傷者1名 ABC 粉末加圧式20型 1983 11 廃棄消火器を操作 容器本体下部
1996/11 神奈川県横浜市 負傷者1名 ABC 粉末加圧式4型 1976 20 消火訓練中 消火器の口金
1999/12 東京都北区 負傷者1名 ABC 粉末加圧式10型 1987 12 解体作業中 容器本体底部
2001/3 愛知県名古屋市 死者1名 ABC 粉末加圧式20型 1979 22 廃棄のための放射操作 容器本体底部
2001/4 北海道帯広市 死者1名 ABC 粉末加圧式20型 1977 24 野焼きの火を消火しようとして操作 容器本体底部
2001/11 福島県いわき市 負傷者1名 ABC 粉末加圧式10型 1975 26 子供が遊んでいたところ破裂 底部が破損
2006/9 京都府京都市 負傷者1名 ABC 粉末加圧式10型 1989 17 下水へ流すため、安全栓を抜き、レバーを握ったところ破裂 容器本体底部
このように、点検を怠ると、本来なら火災時に利用者を守る為の設備が、いらぬ事故を引き起こす可能性もありますので、定期的な点検は重要と言えます。